中国、金の税制優遇を終了—中国発の需要減少は始まるのか?

By

🔔 GoldKimp アラート
Telegramに参加する

ひと目で分かる要点

  • 政策変更(2025年11月1日):SGEで購入した金を小売販売する際の VATの仕入控除 が終了。
  • 小売価格には上昇圧力。価格はすでに 約1,160人民元/グラム まで上昇し、負担が大きい。
  • 2025年Q3 の世界需要は 1,313トン(前年比+3%)、ETF流入は222トン(約260億米ドル)。相場は ETF資金とマクロ要因(米ドル、金利、政策)の影響が大きい。

中国発の需要減速は始まる?

2025年11月1日以降、小売業者は SGE金の販売で 仕入控除用の専用インボイスを発行できない。そのまま販売する場合も、バー/コイン・宝飾品に加工して販売する場合も同様。

取引所内の取引は 非課税 の場合があるが、現物受け渡し後の小売段階では 控除不可。これにより 流通・加工・小売 のコスト構造が変わる。

控除消失は 最終販売価格の上振れと 短期の実需(宝飾・バー/コイン)の弱含みにつながりやすい。

関連記事

中国国内の需要環境


2025年10月上旬、大手ブランドの小売価格は 約1,160人民元/グラム(1月の 約630人民元 から急騰)。

購買力は弱まっている。2025年9月には中国ディーラーの ロンドン比ディスカウントが31~71米ドル/オンスまで拡大し、税制変更前から需要の弱さが示唆された。

関連記事

世界価格を動かす要因:ETFとマクロ

WGC(Gold Demand Trends Q3 2025):ETF流入222トン、バー/コイン316トンが牽引。宝飾需要は高値で軟化、中銀の純購入は高水準。総需要1,313トン(前年比+3%、過去最高)。

世界の金価格は、中国の単一の小売政策よりも ETF資金、流動性、米ドル/金利、政策に強く反応する傾向。

関連記事

結論
小売段階のVAT控除終了(2025年11月1日)は 中国の小売価格を押し上げ、短期の実需を鈍化させる可能性が高い。

ただし 世界の価格方向は、ETF資金とマクロ要因(FRB政策、米ドル、金利)の影響がより大きいことを WGC Q3 2025 が示している。

📊 ライブチャート